二酸化炭素の回収、有効利用、貯留（CCUS）向けの真空ソリューション
CO2は、大気から直接回収するか（二酸化炭素直接空気回収）、化学吸収法、吸収・吸着・低温分離に基づく物理分離法、膜分離法、化学ループ法などの様々な炭素回収プロセスを用いて、特に化学工場、製鉄所、石油・ガス精製所、セメント工場、発電所などの工業生産で発生する排出物から回収することができます。
二酸化炭素回収・有効利用・貯留技術は、回収した炭素を下記のような様々な産業で利用することを可能にします：
- 化学・建材用原料
- 工業用燃料
- 農業用肥料
- 飲料用ガス
- 医療用ガス
- 油層における石油増進回収のためのガス圧入
余った二酸化炭素は、枯渇したポケットに陸上または海上で永久に貯蔵することができます。現在使用されているほとんどの二酸化炭素回収技術は、そのプロセスで拡張可能な真空ポンプ・ソリューションを使用している。
エドワーズの真空ポンプが必要な二酸化炭素回収法
エドワーズの真空ソリューションは、パイロットプラントからフルスケールの生産現場まで、その拡張性により、世界中の様々な二酸化炭素捕捉技術に導入され、成功を収めています。エドワーズの真空ソリューションは、以下のような持続可能な製造のための多くのソリューションを提供します：
- 幅広い真空製品ポートフォリオによる堅牢で信頼性の高いオペレーション
- 様々な構造材料による技術
- エネルギー効率と所有コストの低減
- グローバルな販売とサービス拠点
- アプリケーションの専門知識
直接空気回収(DAC)
この方法では、周囲の空気から直接CO2を回収します。方法には、固体の吸着剤を使用する固体DAC、水溶液を使用する液体DAC、または極低温DACがあり、いずれもCO2を濃縮・吸収する特別に設計された化学物質を含んだフィルターに周囲の空気を通します。その後、真空ポンプと熱が用いてCO2を分離させ、再利用したり地下に運搬して貯留します。
エドワーズの信頼性の高い水封式真空ポンプ技術は、空気中の二酸化炭素を直接回収するプロセスに使用され、成功を収めています。その一例として、LRシリーズの水封式真空ポンプが挙げられます。このポンプは様々な材質のものがあり、微粒子に強く、最小限のメンテナンスと騒音で作動するため、連続運転に最適です。
燃焼前炭素回収
燃焼前炭素回収は、燃焼プロセスの前に化石燃料の上流処理によって混合ガスからCO2を除去します。このプロセスは、特にガス化複合発電（IGCC）による焼却プラントに適しています。予備燃焼では、燃料のガス化と部分酸化（IGCC）を行い、CO2と水素を生成します。物理的吸収プロセスを使用して、CO2は分離器を使用して分離されます。
GXSドライスクリュー真空ポンプやEHメカニカルブースターのようなエドワーズのインテリジェントなドライ真空ポンプは、混合ガスからH2からCO2を分離するためにメンブレンシステム内に圧力差を作り出すために、予備燃焼プロセスで使用することができます。高度な制御機構、モジュール式で拡張可能というコンセプトにより、ドライポンプソリューションは最大限の柔軟性を提供します。
燃焼後炭素回収
燃焼後炭素回収技術は、今日最も確立されたCCUS技術のひとつです。化石燃料の燃焼後、CO2を回収し、排ガスから分離します。エドワーズは、排煙脱硫(FGD)向けのの様々なソリューションと、後付けのCO2回収技術向けの真空ソリューションを提供しています。真空ポンプは排煙脱硫プロセスにおける石膏の真空ろ過と脱水、および後の段階でのCO2と溶剤または吸着剤との分離に使用されます。
エドワーズのEDSケミカルドライスクリュー真空ポンプは、複雑化する化学薬品蒸気や溶剤蒸気を低所有コストで安全に取り扱うことができます。さらに、スチームエジェクター真空システムなどのエドワーズのカスタマイズ製品は、エネルギー効率を改善し、キャビテーションのリスクなしで高い蒸気負荷を処理する能力を提供します。
炭素回収・貯留付きバイオマス発電（BECCS）
バイオエネルギーの炭素回収・貯留は、バイオマスを利用して大気中の炭素を回収・貯留し、それを燃焼してエネルギーを回収する。このプロセスでは、回収されたCO2は、埋立地に隔離されるか、化学生産に使用されます。
エドワーズは、ステンレス製の大容量のLRシリーズ水封式真空ポンプとHRシリーズ水封式真空ポンプを提供しており、このプロセスの二酸化回収に最適です。
